NPOや一般社団法人で活動していると、「非営利だから利益を出してはいけない」と考えてしまいがちです。けれど、利益のない事業は次の一歩を踏み出せず、続けることも難しくなります。一般社団法人まぜこぜむらの代表でもある大串が監修する、YouTube「にきたま」第10回の内容を整理します。
この記事のポイント
- 非営利と一般企業の違いは、利益を出資者に分配するかどうか事業を運営して利益を出すという点は、どちらも同じです。
- 補助金・助成金に頼りすぎると、事業が振り回されるタイミングの遅れや、要件に合わせた方向転換が起こりやすくなります。
- 月次決算で、お金の減り方に早く気づく厳しくなってからでは、資金の手当ても難しくなります。
「非営利」は「利益ゼロ」という意味ではない
非営利の法人と一般企業の違いは、事業で生まれた利益を株主などの出資者に分配するかどうかです。非営利の法人は利益を分配しませんが、事業を運営し、利益を出して次の活動につなげるという本質は変わりません。
たとえば月の売上が100万円あっても、人件費70万円と家賃20万円がかかっていれば、広告費を少しかけただけで赤字になります。見た目の売上と、実際に残るお金は違うのです。
「社会貢献だから安く」が招くこと
社会貢献の事業だからと、価格を安く設定してしまうケースは少なくありません。しかし同じ仕事をしている一般企業との価格競争に入り、粗利がなくなれば、どれだけ忙しく働いてもスタッフに適正な給料を払えなくなります。
イベントの席が埋まらないからと安易に値引きをすると、先に正規の価格で申し込んでくれた人との公平さも損なわれます。サービスの質を高め、適正な価格を保って、堂々と利益を出すことが大切です。
補助金・助成金に頼りすぎるリスク
補助金や助成金は、かかった費用の一部を支えてくれる、ありがたい制度です。一方で、頼りすぎると次のようなことが起こりやすくなります。
- 申請や採択を待つうちに、事業を始めたいタイミングが遅れる
- 要件に合わせるために、本来やりたかった事業の方向を曲げてしまう
- 「使い切らないと返すことになる」という心理から、必要のない支出をしてしまう
動画では、休眠預金を活用した助成など、使い切れなかった資金などに返還の定めがある制度の例にも触れ、必要な分だけを使い、余った分は返すのが健全な財務のバランスだと解説しています。
月次決算で、早めに気づく
「補助金が入るから大丈夫」とどんぶり勘定にせず、毎月、数字を締めて確認する(月次決算)ことで、お金が減っていることにいち早く気づけます。資金が厳しくなってからでは、金融機関からの借入も難しくなります。余裕があるうちに、必要な資金の手当てを考えておきましょう。
ボランティアや専門家の善意に甘えすぎない
無償で力を貸してくれるボランティアや専門家(プロボノ)の存在は、本当にありがたいものです。ただ、無償の善意だけで事業が回っているなら、それは資金面で事業が成り立っていない裏返しでもあります。
- なぜ今は無償(または低い報酬)なのかを説明し、合意しておく
- 先に人を雇って成長を早めるのか、稼げるようになってから雇うのか、事業の段階を見極める
- 代表や役員の報酬が必要なら、はじめから事業計画に組み込んでおく
動画は、書籍『社会をよくしてお金も稼げるしくみのつくりかた』(小暮真久 著、ダイヤモンド社)の第1章をテーマに、会計の実務の視点から解説したものです。
動画で詳しく(約10分)
NPO・一般社団法人の資金計画のご相談は、初回無料です。
まず、話を聞いてみるよくあるご質問
NPOや一般社団法人は利益を出してもよいのですか?
はい。非営利の法人は利益を出資者に分配しないという点が一般企業と違うだけで、事業で利益を出し、次の活動に使うことは問題ありません。適正な利益は、活動を続けるために必要です。
補助金・助成金を使うときに気をつけることは?
制度の要件やスケジュールに事業が振り回されないよう、補助金がなくても成り立つ計画を基本にしましょう。返還の定めがある制度もあるため、必要な分だけを使うことが大切です。
相談は無料ですか?
はい、初回のご相談は無料です。福岡市博多区の当事務所で、資金計画や月次決算の仕組みづくりのご相談をお受けしています。お電話(092-263-8060)またはフォームからどうぞ。
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